【ワインの酸化を防ぐ】コラヴァン(CORAVIN)の魅力と使い方

コラヴァン(コラバン)はワインのコルクを抜かずにワインが飲める画期的なアイテムです!コルクを抜かずに?さてどういうことなのでしょうか?私もちょっと理解が出来ませんでしたが、そんなマシーンが登場しているのを聞いて早速買ってみて、使用したレヴューをご紹介します。

コラヴァンとは

一度にワインを1本空けられない時の保存をどうしようかと迷う時があります。翌日くらいに残りが飲める時などは、多少味わいが変わって来ていてももちろん美味しく飲めます。ただ数日後の味わいに不安があったりもします。これが高額なワインならなおさらで、抜栓するタイミングもちょっと勇気がいるものです。飲み残しの酸化を気にせずに保存し、次の機会に美味しく飲めたらワインライフももっと楽しいものになることでしょう。

そんな事を叶えてくれるのがコラヴァンです。コラヴァンはキャップシールの上から細いニードルを刺してワインを注ぎ出し、コルクやキャップシールも取らずにワインが飲める画期的な器具です!またコルクには細いニードルを刺すだけなのでコルクの弾力で飲みかけをセラーに横置きしても液漏れがしません

ニードルから注がれた液体の分量だけ瓶内にアルゴンガスを同時に充填します。コルクを抜かない事の他、このアルゴンガス充填により酸化を防いでくれるのです。

コラヴァン画像

アルゴンガスとは

空気中の中に微量に含まれている特殊なガスで、空気より熱伝導率が低く化学反応を起こさない物質です。酸化を防ぐものは以前は窒素ガスが主流でしたが、不活性度はこのアルゴンガスのほうが高いとされています。その性質の為、電球や蛍光灯、二重のガラスサッシの中や食品の酸化防止などに使われる安全なガスです。このガスを使いやすいようにカートリッジにして装填します。

コラヴァンの使い方

コラヴァンは難しい操作はありません。以下写真でご説明します。

コラヴァン画像
コラヴァンのモデル3の写真です。(コラヴァンにワインは含まれていません)
アルゴンガスのボンベをハンドル部へ入れてハンドルを回すとセット完了です。
クラッチを押してカバーを広げてボトルネックにセットします。
本体をゆっくり下へ押しニードルを刺しこみます。
レバーを数秒押したのちにレバーを離すとワインが注がれます。レバーを押しガスを注入した分ワインが押し出される仕組みです。これを適量まで繰り返します。
数回ニードルを刺した(使った)後のキャップシールの状態です。

コラヴァン本体の種類とニードルの種類

コラヴァン本体の種類

コラヴァンは発売以来モデルチェンジを行っており、モデル1・2・3・5・6・11の4種類があります。モデル1から6までの違いは素材とハンドル形状が微妙に変わっている事でしょうか。例えばモデル5はモデル3のハンドルに滑り止め用ゴムが付いていたりしますが、使い方は同じです。但し以前に並行輸入などで入って来ていたものは、アルゴンガスを使わずに窒素ガスのモデルが存在します。

モデル11は電動型の最新版です。レバーを押すことも無くボトルを傾けるだけで注がれる仕組みです。またスマートフォンとコラヴァン・モデル11が連動し、抽出液体量やガスの残量なども解るシステムになっています。

コラヴァンのニードルの種類

コラヴァンのニードルはコルクを貫通させ液体を抽出させる重要な部分です。ワインの特性に応じた4種類のニードルが用意されています。

  • スタンダード・・・最初から本体に付属されている標準タイプのニードル
  • ヴィンテージ・・・古いヴィンテージワインのコルク用のニードル(別売)ヴィンテージワインのコルクはもろくなっているので、極力破損させないようにスタンダードよりも細い形状になっています。
  • ファスター・・・・良質なコルク用で抽出も早いタイプのニードル(別売)若いワインで良質なコルクはコルク破損の恐れが少ない為、スタンダードよりやや太めで早い抽出が出来ます。
  • プレミアム・・・残留物減少用のニードル(別売)ワイン内の澱やコルクの破片を極力除去するもので先端が特殊なブラシ状になっているます。

ニードルの扱いには細心の注意が必要です。乱暴な扱いで曲げてしまったり折れてしまうことがありますので、コルクに差し込む際にはカバーがちゃんとセットされていることを確認して、垂直に押し込んで下さい。

コラヴァンを試してみた

結論として少なくとも初めてコラヴァンを使ってから、6日間はほぼ変化はみられません。今回は毎日少しずつ飲んで味わいの変化を見ることや、何週間何か月後などの長期実験はしませんでしたが、私の感想では概ね1か月は美味しく飲めると判断しました!

断定出来ない理由としては、それぞれのワインの性質によって美味しく飲める保存期間が変わるからです。ボルドーやイタリアのピエモンテのしっかりとタンニンがのった若いワインなら、通常にコルクを抜いて飲んだのちに時間をおいて飲んでも酸化の度合いが遅いでしょうし、古いヴィンテージワインであれば酸化も早いのと同じ理屈です。

私が購入したコラヴァンはモデル3、早速試したレヴューです。ワインは2006年のポイヤックを用意しました。説明書を見ながらスムースにガス装填、上の使い方のように問題なくワインを注ぐことが出来ました。2005年もののワインが秀逸だった分2006年ワインは大人しい感じがしますが、15年以上の熟成を経て素晴らしい色合いとこなれたタンニン。この味わいと風味を覚えておきます。1/3程飲んでセラーに戻しましたがボトルを横に寝かしても液漏れはしません。

3日後に同じ操作でワインを注ぎ、味を確認。最初に飲んだ時と少しも変化は感じられません。通常ならコルクを開けて3日すると明らかに酸化を感じる味わいに変化がみられるはずです。15年以上寝かせたワインならなおさら酸化は早い筈です。また1/3程飲んでセラーへ保管。

その2日後に残り1/3を飲んでみる。ガスがもったいないのでここで初めてコルクを抜栓しました。色味の変化は全然見られませんが、味わいは微妙に変化している感じです。ただ実験的に味わいの変化に注目していたので解るのであって、これが最初にコルクを抜いたワインだと思って飲めばこういう味わいなんだと思うでしょう。

コラヴァンのメリット

複数のワインを少しずつ飲みたい!

例えば今日は赤ワインを2杯、白ワインを2杯飲みたい!なんていう時に飲みきれなくて無駄にしてしまう事はないでしょう。結構そのような状況はありますね。

高額なワインを少しずつ

高級なワインを開けるのには勇気が必要ですよね。一人で飲みきれないと思えば開けるもの迷うでしょう。何回かに分けて飲みたい時にはコラヴァンの出番です。

ワインバーでグラス売り

ワインバーなどでグラス売りするワインは限られてしまいます。コルクを開けて数日持つワインか、その日のうちにグラスで売り切ってしまえるワインでしょう。コラヴァンを使えばそのワインのアイテムが広がることは間違いありません。高額なワインを数日かけて出せるメリットは大きいはずです。

熟成を確認出来る

ワインセラーに寝かせているワインをコルクを開けずに熟成度合いを確認することが出来るでしょう。自分のワインのコレクションの飲み頃をチェックするのにコラヴァンは有効です。

コラヴァンのデメリット

価格が高い

コラヴァンの本体価格はモデルの違いによって30000円から50000円です。最新のモデル11電動タイプで90000円程度となっています。ただこのコストに見合う使い方が出来れば「買い」だと思います!

ランニングコストがかかる

消耗品としてアルゴンガスが必要です。概ね1本1700円程度かかってしまいます。これでワイン2~3本分が目安となります。2本としたらワイン1本にかかるガス代は850円、3本なら570円。このコストをよく考えなくてはなりません。極端に言えば1000円のワインを飲むのみ850円はもったいないですよね。

スパークリングワインには使えない

コラヴァンは天然コルクのワインにしか使えません。合成コルク(ゴム状の合成品)などには使えません。また天然コルクでもスパークリングワインや日本酒などには使えませんので注意してください。個人的な感想ですが安価なワインに使われている集積コルク(コルクのチップを固めたもの)には使用しないほうが良いと思います。ニードルを刺した穴はニードルを抜いた後にコルクの弾力で塞ぎ、液体や空気を遮断する仕組みです。集積コルクはその弾力が弱いからです。

おすすめのコラヴァン

私がおすすめするコラヴァンはモデル3です!モデル1・2に改良がされていてデザインもスマートです。またモデル5・6はモデル3に比べ変更点が、価格差程ないと思います。よってコストパフォーマンスを考えモデル3が良いと思います。ただモデル5・6もカッコいいので予算次第でしょうか。コラヴァン本体にガスのカートリッジが3本セットや6本セットなどがあるので、良く確認が必要です。ニードルは標準で付属のスタンダードでとりあえず十分ですが、飲まれるワイン次第で買われるのはアリです。

CORAVIN コラヴァン モデル3 ブラック

コラヴァンのお手入れ方法

コラヴァンを使用したら液体の吹き出し口を水ですすぎ、レバーを押して残ったワインを流します。ニードル部分も同様にします。ニードルにコルク片が詰まった場合はニードルを本体から外して洗浄を行います。ニードルの扱いは曲げない様に注意をして下さい。

その他のワイン保存方法

プライベートプリザーブ

プライベートプリザーブはコルクを抜いた後にガスを注入するタイプです。ガスを充填し酸化を防ぐ仕組みはコラヴァンと一緒です。窒素ガスがメインでアルゴンガスの含有が少ないのでコラヴァンの簡易版です。プライベートプリザーブ1本でワイン約90本の使用が可能です。

ワイン保存用ガス / プライベートプリザーブ PROVATE PRESERVE

バキュバン

ワイン開封後に特殊なゴム製のストッパーを入れてボトル内の空気を抜くタイプです。様々なメーカーが作っておりデザインも様々です。ガスを使わないのでランニングコストがかからずお手軽です。緩やかに酸化させる効果が見込めます。

おわりに

ワインはコルクを抜かずに置いていても少しずつ酸化していきます。ヴィンテージワインも酸化していきながら熟成するものです。つまりこのコラヴァンを始めどの器具も酸化を完璧に無くすことは不可能なのです。これを最大限防ぐのに有効なのがコラヴァンです。イタリアワインのバローロなどはコルクを抜いて翌日のほうが美味しい場合があります。酸化を少しさせたほうが良いケースがあるという事です。程良い酸化イコール劣化ではありません。ただ味わいをコントロール出来ればそれに越したことはないでしょう。その意味ではこのコラヴァンは買い!です。

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