イタリアワイン「Barbaresco/バルバレスコ」は、バローロ、ブルネッロディモンタルチーノと並びイタリアの3大ワインと称されている高級赤ワインとして知られています。特に同じ地域にあるバローロと比較されることが多く、バローロが「ワインの王」「王のワイン」と呼ばれるのに対し、バルバレスコは「ワインの女王」「女王のワイン」と呼ばれています。この魅力あるバルバレスコを、バローロとの比較やおすすめの銘柄などをご紹介していきます。
バルバレスコとは
バルバレスコとは、イタリアのピエモンテ州にあるクーネオ県バルバレスコ村を中心としたその周辺地域で造られる赤ワインです。イタリアの原産地呼称で最高ランクのDOCG(統制保証原産地呼称)に指定されており、バルバレスコを名乗るには細かな規定があります。指定されている生産区域は大きく分けて4つのエリアになり、主要は3つの村となります。 その村の中を66の「クリュ」と呼ばれる区画に分かれています。 バローロとはタナロ川をはさんで対峙しています。バローロと同じくランゲ地区にあり、バローロとバルバレスコの美しいぶどう畑の景観は、「ピエモンテのブドウ畑の景観」として2014年にユネスコ世界遺産に登録されました。
バルバレスコのぶどう品種
バルバレスコはネッビオーロ種というピエモンテ州で良く栽培されているぶどうを使って造ります。以前は他のぶどう品種も混ぜていましたが、現在ではネッビオーロ種100%です。ネッビオーロ(Nebbiolo)のNebbiaはイタリア語の「霧」という意味で、秋の霧がかかる時期(11月)に収穫されることからその名が付いたとされます。ネッビオーロ種にはランピア・ミケ・ロゼ・ボッラの4種類が存在しますが、ランピアが主流であり、ミケは生産量は非常に少なく、高品質であるロゼとボッラはほとんど栽培されていません。このネッビオーロ種は近隣のバローロの他、地区名ワインである「ランゲDOC」にも使われています。
名の通り収穫時期が11月と非常に遅く(一般的には9月下旬から10月)栽培が難しい品種ですが、その分ぶどうにはタンニンと酸が多く含有する為、長期熟成にも向くしっかりとしたワインが出来るのです。但し色味は、ボルドーのカベルネソーヴィニヨン種のように濃くはなく、明るいピノノワール種を濃くしたイメージです。
バルバレスコの味わいの特徴
バルバレスコを名乗るには最低26カ月の熟成を必要とし、そのうち9カ月は木樽熟成することと定められています。またリゼルヴァを名乗るには最低50カ月(内樽熟成9カ月)の熟成が義務づけられています。アルコール度数は12.5%以上の規定があります。タンニンも程良くこなれて、優美でエレガントなであり、繊細さを持っています。程良い骨格を持ち、果実味も豊かでベリー系の完熟した香りを持ちます。産地や生産者によって、重厚なものから軽快な味わいのものまで様々なスタイルのバルバレスコが生み出されています。
バローロとバルバレスコの違い
バルバレスコとバローロは近隣といえども、距離にして15km程離れています。その距離の違いにより同じぶどう品種を使いながらも、味わいに違いが生じます。バローロについては別記事「【イタリアワインの王】 バローロの特徴と味わい おすすめの9選」をご覧ください。
土壌の違い
バルバレスコとバローロの土壌は、基本的には粘土質であり石灰や泥炭土が混ざり合っています。バルバレスコの土壌はその中でも、砂質が多く柔らかでありバローロと比較すると肥沃とされています。バローロは「トルトニアーノ」や「 エレヴィツィアーノ 」といった特色がある土壌となりますが、バルバレスコの土壌はそれ程の特徴があるわけではありません。この土壌の違いがタンニンの成分の含有の違いとなっているのです。痩せた土地ほどぶどうの根は深く張り、タンニンは多くなりますので、バルバレスコのタンニンはバローロと比較して柔らかいと言えます。
地形の違い
バルバレスコの標高は156m~334mであり、バローロの標高213m~490mに比べ50m~170mほど低い位置にあります。また海により近い場所にあり為、やや温暖な気候となります。温暖であればその分、ぶどうの熟成は早くなり収穫も早くなります。
熟成期間の違い
バルバレスコ | バルバレスコ リゼルヴァ | バローロ | バローロ リゼルヴァ |
26か月 (9か月は木樽で熟成) | 50か月 (9か月は木樽で熟成) | 38か月 (18か月は木樽で熟成) | 62か月 (18か月は木樽で熟成) |
バルバレスコは収穫された年の11月1日以降、バローロは翌年の1月1日以降からの熟成とされている為、早く造り早めに熟成を始めるなどは出来ません。またバルバレスコの最低アルコール度数は12.5%、バローロが13%と決められています。
味わいの違い
バルバレスコは土壌や地形の違いにより、バローロと比較してタンニンが柔らかく、その分熟成期間も短くて済みます。バローロの男性的な力強いタンニンの渋みや酸味と比べ、バルバレスコの味わいは女性的でエレガント、また繊細で優美な味わいとされています。バローロがワインの王とされるのに対し、バルバレスコがワインの女王と呼ばれるのは、この味わいの差から来ているのです。
バルバレスコの3大産地とMGA
バルバレスコの産地は4つ、バルバレスコ村(Barbaresco)、ネイヴェ村(Neive)、トレイーゾ村(Treiso)とアルバのサンロッコ セーノ デルヴィオ地区(San Rocco Senodelvio)となります。サンロッコは元々はバルバレスコ村であったため、今でもバルバレスコのワインとして認定されています。その他の3つの村が3大産地と呼ばれていいます。
バルバレスコの3大産地
バルバレスコ村・・・3つの村の中で一番陽当りが良く、土壌も石灰質粘土、砂地、青色泥炭土が絡み合っており複雑で重厚なワインになります。基本的には小樽(バリック)を使う生産者が多く、果実味が豊かでタンニンも多い高品質のバルバレスコが生み出されています。有名なMGAは「ラバヤ」「アジリ」「マルティネンガ」など。
ネイヴェ村・・・一番個性豊かなワインを産出する村です。しっかりとした力強いものから優しく優雅な味わいのものまで多様です。小樽(バリック)よりも大樽(ボッテ)を使うところが多く、長期熟成型も多く見られます。柑橘系のニュアンスやミネラルを感じるのも特徴です。有名なMGAは「ブリッコ」「ガッリーナ」「セッラボエッラ」など。
トレイーゾ村・・・バローバルバレスコの南側にあり、標高が高く昼夜の寒暖差が大きい村です。ライムストーンやフローラルなニュアンスを持ち、最も女性的なバルバレスコが産出されます。酸味が強くミネラル分も多めです。バルバレスコの人気が高まるにつれ、この村のワインも注目され始めています。有名なMGAは「パヨレ」「リッツイ」「ネルヴォ」など。
バルバレスコのMGA
産地の中にさらに細かい 単一畑(追加地理言及=MGA/Menzioni Geografiche Aggiuntive)が66存在します。(バローロは181)これはフランスのブルゴーニュにある「クリュ=特定の個性あるワインを産出する畑」と同じ考えのもと指定されていますが、66のMGAにはブルゴーニュのように個別な格付けはありません。これらの単独畑で造られるバルバレスコをクリュ バルバレスコと呼ばれており、ラベルに記載することが出来ます。クリュ バルバレスコを名乗るには、やや厳格な規定がなされています。例えば最大収穫量は一般では70%なのに対し68%、最大生産量は一般は56hl/haに対し54.4hl/ha(hl=100リットル、1haあたりの養分は決まっているので少ない程ぶどうの生育には良い)
バルバレスコのMGA一覧 66畑
Albesani アルベサーニ | Asili アジリ | Ausario アウサリオ | Balluri バッルーリ |
Basarin バサリン | Bernadot ベルナドット | Bordini ボルディーニ | Bricco di Neive ブリッコディネイヴェ |
Bricco di Treiso ブリッコディトレイゾ | Bric Micca ブリックミッカ | Ca Grossa カグロッサ | Canova カノーヴァ |
Cars カルス | Casot カソット | Castellizzano カステリツッアーノ | Cavanna カヴァッナ |
Cole コッレ | Cotta コッタ | Curra クッラ | Faset ファセット |
Fausoni ファウゾーニ | Ferrere フェッレーレ | Gaia Principe ガイアプリンチペ | Gallina ガッリーナ |
Garassino ガラッシーノ | Giacone ジャコーネ | Giacosa ジャコーザ | Manzola マンゾーラ |
Marcarini マルカリーニ | Marcorino マルコリーノ | Martinenga マルティネンガ | Meruzzano メルッツアーノ |
Montaribaldi モンタリバルディ | Montefico メンテフィコ | Montersino モンテルシーノ | Montestefano モンテステファノ |
Muncagota ムンカゴッタ | Nervo ネルヴォ | Ovello オヴェッロ | Paje’ パイエ |
Pajore’ パヨレ | Pora ポーラ | Rabaja’ ラバヤ | Rabaja bas ラバヤバス |
Rio Sordo リオソルド | Rivetti リヴェッティ | Rizzi リッツイ | Roccalini ロッカリーニ |
Rocche Massalupo ロッケマッサルーポ | Rombone ロンボネ | Roncaglie ロンカリエ | Roncagliette ロンカリエッテ |
Ronchi ロンキ | San Cristoforo サンクリストフォーロ | San Giuliano サンジュリアーノ | San Stunet サンストゥネット |
Secondine セコンディーネ | Serraboella セッラボエッラ | Serracapelli セッラカペッリ | Serragrilli セッラグリッリ |
Starderi スタルデリ | Tre Stelle トレステッレ | Trifolera トリフォレーラ | Vareirano ヴァレイラーノ |
Vallegrande ヴァッレグランデ | Vicenziana ヴィチェンツィアーナ |
バルバレスコの歴史
バルバレスコは、バローロ同様19世紀の中頃までは甘口のワインとして造られていました。ネッビオーロ種を収穫する11月には気温が下がってしまい、アルコール発酵が途中で止まり、糖分が残ってしまっていたからです。その後、カミッロベンソカヴール伯爵(イタリア王国初代の首相)が、辛口に仕上げる為にフランスから技術者を呼び、当時の新しい醸造技術を使い、辛口の赤ワインに仕上げました。その頃はバルバレスコというワイン名でななく、バローロの名で販売されていました。
1894年にアルバ醸造農学校のドミツィオ カヴァッア博士が、バルバレスコ初の生産者協同組合(カンティーナ・ソチャーレ)を創設しました。それまで不当に安い価格で取引されていたぶどうの流通を変えて、良質なぶどうの取引を整備しました。また初めてバルバレスコの名を冠したワインが売り出され、カヴァッア博士は「バルバレスコの父」と呼ばれるようになります。
しかし、その後フィロキセラ(ぶどうの樹につく害虫)の影響などで、この地区のワイン造りは下火になってしまいます。また歴史的観点から「バローロの弟分」「バローロの下位ランクのワイン」などと呼ばれ、長い間あまり日の目を浴びることはありませんでした。
1960年代になって、登場したのがガヤ(GAJA)です。(ミニコラム「GAJA」を参照)生産者ガヤの当主アンジェロ・ガヤは、国際品種の導入や単一畑でのワイン造る、小樽(バリック)の使用など、当時誰も行っていなかった革新的な方法で、バルバレスコを世界レベルのワインに押し上げて行きましした。以降、バルバレスコは1966年のにはDOCの認定がなされ、1980年にはDOCG(詳しくは「 一目で解るイタリアワインの格付けピラミッド」を参照して下さい)へと昇り詰めたのです。
バルバレスコの美味しい飲み方と当たり年
美味しい飲み方
バルバレスコは最低26カ月(リゼルヴァは50カ月)の法定熟成期間が定められている為、現在市場に出ているのは早くても3年以上前のヴィンテージ(リゼルヴァは5年以上)です。輸入元によっては飲み頃を迎えたバルバレスコを輸入することがある為、それよりも古いヴィンテージが入荷されることがあります。バローロと比較して12カ月早く出荷出来ますが、バローロ同様しっかりとしたタンニンを持ち、長期熟成するワインには変わりはありません。ネイヴェ村の大樽を使った伝統的な製法のバルバレスコは10年から30年の熟成で飲み頃を迎えるものもあります。
畑名の付いた上質のバルバレスコ(クリュ バルバレスコ)は、早くとも10年は寝かせておくことをおすすめします。輸入元は新しいヴィンテージがリリースされたものだけを輸入するのではなく、古いヴィンテージを輸入することもあります。生産者は独自で保管している年代物のワインを出荷するケースもあり、出回るヴィンテージも様々です。もちろん価格もそれなりになってしまいますが。セラーを持っているか、保管に自信のある方でしたら、新ヴィンテージをリリース後に購入・保管する方法が手間はかかりますが、お安く手に入ります。
ただ、バルバレスコも重厚なものだけではありません。近年早くから愉しめる軽快なものもあるので、全てが10年寝かしましょう~ではありません。残念ながら確実に見極める方法はありませんが、強いて言えば価格でしょうか。クリュ名が付かないスタンダードなバルバレスコは比較的早く飲めるはずです。飲み頃の温度は14℃から18℃と高めの温度が良いかと思います。
バルバレスコはバローロ同様、抜栓後味わいと香りが開くのが遅いワインです。自身の経験から言うと飲む前日に抜栓するくらいの時間を空けたほうが、美味しく感じる程です。少なくとも飲まれる数時間前、またはグラスをスワリング(グラスをくるくる回すエアレーション)をしてみて下さい。空気に触れることでだんだんとボディの重さを感じ、香りが立ってきます。
バルバレスコの当たり年
バルバレスコの近年の当たり年は、1990年、1996年、2000年、2001年、2004年、2007年、2010年、2016年です。ほぼバローロと同じでしょうか。2010年はパーフェクトヴィンテージとされ、値段が上がっているようです。最近の2016年はリリース間もないので、まだ市場に出回っていると思われますので、クリュ バルバレスコを買い求め、寝かせて置くものよいかもしれません。
では当たり年ではない(グレートヴィンテージの逆でオフヴィンテージと呼ばれる)はどうかというと、美味しくないというわけではありません。まずは天候不順だった為ぶどうの収穫がすくなくなり、ワインの生産量も減ります。メーカー各社は自社のラベルを貼って不味いワインは当然出荷せず、品質に見合ったぶどうのみを使うのです。また良い年よりも長期熟成が短くなるかもしれません(飲み頃が早く来る)。長期熟成にこだわらなければ、逆に”買い”なのかも知れません。
おすすめのバローロ 価格別の9選
バルバレスコの一般的な価格は5000円前後が平均です。クリュ バルバレスコ(単一畑名)はやはり10000円くらいからでしょうか?長期熟成に耐えるものから、早いうちから楽しめるものまで色々です。たまに2000円代前半とか1000円代のものを見かけますが、あまりお勧めしません。法的に長期熟成が必要なワインですので、妥当ではないと考えます。以下は、おすすめするワイン9選です。
5000円以下のバローロ
バローロ マーニョ
銘醸ワインを造りながら、リーズナブルな価格が嬉しい!1871年からワインづくりをしているサルティラーノ一家が営む、サン・シルヴェストロ。モンフォルテ・ダルバ村、バローロ村、ノヴェッロ村、バルバレスコ村にそれぞれエステイトを持ち、伝統的な大樽熟成でそれぞれのテロワールの特性を活かしたワインづくりを行っています。銘醸産地ながらも、非常にリーズナブルなワインは高い人気を得ています。熟したイチゴの甘い香りやミネラル、ホワイトペッパーのアクセントが感じられます。タンニンがしっかりとあり、ワイン全体を引き締めます。
愛飲者の口コミレヴュー
バルバレスコ ニコレッロ
伝統的手法で熟成したネッビオーロの美しさを表現する「ピエモンテの巨匠」「ニコレッロ」社の歴史は古く、1900年初頭、ワイン造りの伝統が根付いたピエモンテ州のランゲとロエロの丘陵にワイナリーが設立されました。とても勤勉で生真面目、先祖代々ブドウ農家だったニコレッロ社のオーナー、カゼッタ氏はこの地の気候・土壌・ブドウを熟知しており、ワイン造りと自然環境への配慮、ブドウの選別には常に心を砕き、より自然なワインをつくる為に熱心に技術革新と設備投資を続けています。深みのあるルビーレッドに、ガーネット色のエッジ。輪郭がはっきりしたブラックベリーやなめし皮の香りが広がります。果実味と柔らかなタンニンが心地よく広がり、余韻が長く続きます。
愛飲者の口コミレビュー
バルバレスコ プルノット アンティノリ
プルノットは、アルプスの山々に囲まれたイタリア屈指のワイン産地、ピエモンテ州でバローロ、バルバレスコを中心にワイン造りを行う老舗ワイナリー。現在はイタリア屈指の名門アンティノリがワイナリーを所有し、質の高いワイン造りを守り続けています。紫ががったガーネットの色調。野イチゴ、サクランボ、アニスやハーブ等の様々なアロマがグラスを回す度に複雑に広がります。口に含むと、滑らかな口当たりが特徴的。ジューシーなレッドチェリー、ブラッドオレンジなどを思わせる果実味に、繊細なタンニン、上質な酸が調和し、引き締まった余韻へと導きます。上品で洗練された仕上がりで、今飲んでもその生き生きとした味わいを愉しめますが、長期熟成ポテンシャルも備えた1本です。輸入元エノテカさんによると飲み頃は今から2027年までとされています。超熟ですね。
愛飲者の口コミレビュー
10000円以下のバローロ
バルバレスコ ヴァッレグランデ カ デル バイオ
イタリア最高のブドウ栽培家として高く評価されるバルバレスコの名手、カデルバイオが造る単一畑「ヴァッレグランデ」の逸品。ヴァッレグランデはフェッレーレとジャコーザと呼ばれる2つのクリュの間にあります。標高は270-400mで様々な土質が混じります。上質なネッビオーロが育つ部分はこの中腹にあります。適度な日照があり、カ・デル・バイオが造るヴァッレグランデのワインは率直で判りやすく親しみやすいバルバレスコと言えます。
バルバレスコ コステ ルビン
この造り手のフォンタナフレッダは、19世紀末にイタリアの初代国王ヴィットリオ・エマニュエーレ2世の息子が、その所有地を譲り受け設立した一流ワイナリー。ステンレスタンク内での発酵の間、ルモンタージュを行い、ぶどうのタンニンやアロマを引き出し、オークの小樽で12ヶ月熟成。その後瓶内で12ヶ月熟成させて造られるバルバレスコ 。リコリスやシナモン、 熟したプラムやシナモン、タバコのニュアンス!力強いタンニンと凝縮した果実味が広がります。ラベルも美しい!
バルバレスコ アジリ カ デル バイオ
バルバレスコを代表する銘醸畑、アジリのクリュバルバレスコ。品質は非常に高く、単一品種のものを中心に生産しており、樹齢が25年から40年以上と古いものが中心となります。バルバレスコ村のアジリ、ポーラなど著名なクリュの他、トレイーゾ村のヴァッレグランデ、マルカリーニといったクリュのワインを生産しています。現在カ・デル・バイオはバルバレスコ界でも卓越した生産者の地位を獲得。ヨーロッパをはじめ、世界中で傑出した生産者として、高く評価されています。オーク樽熟成 30カ月(スラヴォニア産、25HL/フランス産、500L) 瓶熟成6カ月以上 (ノン・フィルター)ジェームス・サックリング92点
10000円以上のバローロ
バルバレスコ ガヤ
バルバレスコを世界の銘酒に押し上げ、現在でもバルバレスコ最高峰の地位にあるガヤのバルバレスコ。こちらのキュヴェはバルバレスコにある14もの畑の中から、年ごとに優良な畑を厳選し、ブドウを使用しています。同じバルバレスコでも、エリアによってテロワールの個性が異なるため、ブレンドすることによって複雑でバランスの取れたワインが生み出されるのです。それぞれのブドウ畑から収穫されたブドウは畑ごとに別々に発酵、マセレーションを行い、12ヵ月の熟成の後ブレンド。さらに12ヵ月間オーク樽での熟成を経てリリースされます。
愛飲者の口コミレビュー
バルバレスコ ラバヤ ブルーノジャコーザ
バルバレスコの2大巨頭であるブルーノ・ジャコーザの単一畑「ラバヤ」のバルバレスコ。 バルバレスコ村の黄金丘陵を形成する最上畑、ラバヤ。標高250mに位置し粘土石灰質土壌から成る畑でブルーノ・ジャコーザは0.55haを所有しています。2013年ヴィンテージより単一畑キュヴェとしてリリースされ、年産僅か3,500本のみの稀少なワインです。オーク樽熟成 20カ月(スラヴォニア産、27HL)/瓶熟成 12カ月以上。(2016)「ジェームス・サックリング」 97点
愛飲者の口コミレビュー
バルバレスコ アジリ ブルーノジャコーザ
ガヤと並ぶバルバレスコの2大巨頭であるブルーノ・ジャコーザの単一畑「アジリ」のバルバレスコ。畑と醸造における伝統に敬意を払うという、単純にして明瞭な哲学の下に造られる確固たるスタイルを持ったワインは、「バローロのロマネ・コンティ」「イタリアの5大シャトーの1柱を為す」と称賛されます。一般的にバローロは男性的、バルバレスコは女性的とされますがブルーノ・ジャコーザのワインはその逆で、バルバレスコの方が男性的であると言われています。オーク樽熟成 19カ月(110HL、スラヴォニア産)/瓶熟成 10カ月以上
バルバレスコの料理との相性
ピエモンテ州は料理全般、比較的濃いめの味わいのものが多いのが特徴です。肉料理でしたら「ブラザート」という牛の煮込み料理や鹿やうさぎなどのジビエ料理、パスタでもチーズがしっかりと乘ったものやラザニアなどです。地のワインは地の料理とのマリアージュは鉄板ですが、なかなか日本で同じ料理を作るの難しいですね。ワインのブログを見ていて、聞きなれない料理が合います!っていうのに、少し違和感を覚えます(私もそうですが・・)
なのでレストランでの相性はさておき、自ら調理をするとしたら・のおすすめは、煮込みハンバーグ、子羊のロースト香草焼き、ミートローフ、ステーキ、すき焼き、濃厚なチーズ、スパゲッティミートソース、クリームパスタなど味わいの濃いものです。もちろんクックパッドで手の込んだイタリア料理に挑戦した時も、合わせてみてください! 腕をふるったゴージャスな時は上質のバルバレスコ、普段よりちょっぴりナイスな料理にはスタンダードなバルバレスコとワインのグレードはあなたが決めて下さい!
バルバレスコの近くにアルバという町があり、そこの白トリュフは世界一と言われています。もし白トリュフが偶然手に入ったら・・バルバレスコを思い出して下さい、最高のマリアージュです!
おわりに
バルバレスコの2大巨頭はアンジェロ ガヤとブルーノ ジャコーザです。ブルーノジャコーザ氏は2018年に惜しくも逝去され、今は娘さんのブルーナ ジャコーザ氏が引き継いでいます。アンジェロガヤ氏も一線を退き娘さんのガヤ ガヤ氏が引き継ぎました。ともに次世代のバルバレスコをけん引する女性として目が離せません
バローロのセカンドワインなどと揶揄された歴史があるバルバレスコですが、どちらかというと力強さよりも繊細な味わいが好まれる今では、バルバレスコの優美な味わいのほうが人気かもしれません。あまり大きな地区ではないので、生産本数も少なく売り場ではバローロほど目立ってはいませんが、イタリアに想いをはせてゆっくり飲みたい逸品だと思います。正直長く寝かせておくのもちょっと辛いので、早くから飲めるバルバレスコに個人的には軍配を上げたいと思っています!