iceberg ワインのカタログや生産者のサイトを見ていると、おぉ～綺麗なエチケット（ラベル）だなーと思うことがあります。皆さんも思わず「ジャケ買い」をしたことがあるかと思います。もちろんワインに限らず自分の好みのデザインのものは気になりますよね。私はインスタでワインのラベルをアップしていて、気になる方に見て頂いている自称エチケットナビゲーター？（インスタ@delrey415,良かったら訪問下さい）。
歴史のあるフランスのシャートやドメーヌなどはクラシックなスタイルを踏襲し、何十年何百年と変えていないワインがあったり、ガレージワインのような生産者のラベルでぶっ飛んだものまでさまざまで見ていると楽しくなります。それぞれの想いが込められているのは確かでしょう。あの小さな面積のラベルに埋め込まれたキラリと光る感性を見出すのは楽しい事です。
デザインの傾向で産地や味わいなどが分かる例として、先ずはボルドーのシャトーものでしょうか。図柄はお城（シャトー）やぶどう畑の絵（エッチング？）が描かれています。元詰めであれば、Mis en Bouteille au Chateauの文字と収穫年の記載があります。（ラフィットの添付画像には年号を消しています）。このほとんどはボルドースタイルでぶどう品種はカベルネソーヴィニヨン、メルロー、カベルネフランでしょう。伝統を重んじてデザインはほとんど変えません。ただムートンロッチルドは他のシャトーと違い、毎年異なった画家やデザイナーを使いファンを楽しませてくれています。味わいはボルドースタイルと呼ばれるクラシックなものです。
対するブルゴーニュもさっぱりとしたデザインが多くボルドーのように畑を描いたりもありますが、総じてロゴ（フォント）と紋章などが多いようです。年号の他、ボトリング番号の記載があるものもあります。ボルドーと違いブルゴーニュの銘醸ワインは生産量が極端に少ないので出来るのでしょうか。写真のロマネコンティ1991年は5043本ボトリングして、このボトルは163X番です（個人所有なのでＸとしています）。なで肩のボトルとこのようなラベルのほとんどはピノノワールですが、南仏ワインでも似たようなラベルデザインをするところがあるので、ボルドーのようにはっきりとした品種は分かりません。
生産者を訪問しラベルの由来を聞いてみると面白い答えが良く帰って来ます。「知り合いに画家がいてね～」「うちで飼っていた犬でね」「この地のシンボルがね～」と様々です。イタリアやスペインのワインのラベルは、フランスに比べデザイン性の高いものが多く見受けられて楽しいです。ただワインを販売していて個人的に感じるのは、奇抜なワインラベルのものはあまり動きが良くありません。
スペインの新進気鋭のワインでレベルも高いワインがありました。ラベルデザインは抽象的なスタイリッシュなもので、デザインだけを見ればカッコいいのですが、お客様は手にとってくれません。やはりラベルデザインを見て味わいやグレードなどを想像しているのでしょう。最近はテーブルワインで動物の絵が描かれたものがヒットしています。価格とのバランスや親しみやすさなど、微妙な違いでワインの売れ方が変わって来ます。
3つのラベルをご覧ください。洗練されたデザインですよね。金色や光沢地ものが最近特に目立ちます。お洒落なラベルだとそれだけで味わいにプラス要素のような気がするのは僕だけでしょうか。インスタ映えではありませんが、やはりワインの味わいを上手く表現しているものがイイですよね。グランヴァンなどの雲の上のワインはそんな必要はないと思いますが、やはりワインを愉しむのは買うところからではないでしょうか？コルクを開ける前に味わいは分からないので、買う動機はプライスカードのコメントやラベルのデザインでしょう。
伝統あるワインのラベルはデザインの継承も当然であり敬意を表するところですが、気鋭の造り手にはもう少しラベルのデザインに気を使って頂きたいところも多く見受けられるというのが、個人的な感想です。ワインのクオリティを高めると同時に、それに似合いのラベルデザインを求めたいと思うのは僕だけでしょうか。
エチケットナビゲーター？としてこれからも素敵なラベルに出会ったら是非ご紹介していきたいと思います。「名は体を表す」・・・う～んワインの世界でもまんざら間違いではないような気がしています。
