【第4のワイン】 オレンジワインとは?その美味しさと特徴! おすすめ6選

【オレンジワイン】は白ぶどうで造るオレンジ色のワインです。赤、白、ロゼワインに次ぐ第4のワイン「オレンジワイン・・これは新たな発見か?? ここでは【オレンジワイン】とは何か、おすすめのポイント、料理との相性など、シニアソムリエの私が解説いたします。

オレンジワインとは

オレンジワインアランサット
オレンジワイン アランサット

オレンジワインとは白ぶどうを使って赤ワインの製法で造るワインです。果実のオレンジで造られるワインではありません。オレンジのような色味を帯びている事からそのような呼び名となっています。近年オーガニックやヴィーガンなどを好む自然派の人々によって急激に支持され始めています。

オレンジワインの魅力

魅力の1つは「亜硫酸塩添加の量を抑えているから、自然派の人たちに好意的に受け入れられている」ことです。白ワインはタンニンが少なく、赤ワインよりも亜硫酸(酸化防止剤)の添加が多く認められていますが、オレンジワインは製法上白ワインよりもタンニンが多く含まれているのです。タンニンを多く持つことにより味わいにふくよかさと厚みが生まれます。色味も名の如くオレンジ色をしていてタンニンによる骨格と白ワインの丸みを帯びた酸味を兼ね備えた、赤白ワインの中間のようなワインと言えるでしょう。

オレンジワインの歴史

ジョージア(旧グルジア)ではこのオレンジワインを8000年も前から造られています。またスロベニアやイタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州でも何世紀も前から造られていました。ジョージアは旧ソビエト連邦下にあった為、その存在はあまり知られていませんでした。1990年後半になりイタリアとスロベニアの自然派ワインの造り手によって存在が見直され世界中が知ることになったのです。

オレンジワインの生産国とぶどう品種

主な生産国とぶどう品種は以下の通りです。

  • ジョージア・・ぶどう品種は:キシィ・ルカツィティ・ムツヴァネ・フヴィ等
  • イタリア・・ぶどう品種は:ピノグリージオ・リボッラジャッラ・フリウラーノ・カタラット等
  • オーストラリア・・ぶどう品種は:ピノグリ・ゲヴェルツトラミネール等
  • 日本・・ぶどう品種は:甲州
  • ポルトガル・・ぶどう品種は:アリント・ヴィオニエ等
  • オーストリア・・ぶどう品種は:グリューナーヴェルトリーナ等

上記以外に近年、ルーマニア・フランスなどでも生産し始めています。ぶどう品種は生産する国により多岐に渡ります。グルジア以外では白ワインと同じくステンレスタンクを用いた近代式で造られるので、初心者はグルジア以外で造られるオレンジワインがおすすめです。特殊な技術や特別な土壌などが必要なわけではなく、白ぶどうが栽培されるところでは造る事が出来るので、今後造る国や地域は増える事でしょう。

ぶどう品種の特徴は、香りの高いぶどう品種が使われる傾向にあります。果皮や種子を果汁と一緒に醸し、香り成分を残すのが目的の一つとされるからです。

ジョージア風景

オレンジワインってなぜオレンジ色なの?

4色のワイン
色の違い:左から赤ワイン・白ワイン・ロゼワイン・オレンジワイン

オレンジワインはその独特の製法によって、オレンジ色になります。果皮や種なども一緒に破砕後、醸し発酵させるのでタンニンなどの成分が染み出て来ます。白ぶどうを使うため赤ワイン程の色は出ませんが、微妙なオレンジ色になるのです。

オレンジワインの製法

オレンジワインは・・白ぶどうを使い果皮や種子ごと破砕後、全てを発酵させワインを造るのです。果皮などを一定期間低温で接触(スキンコンタクト)させ醸す(マセラシオン)ことでオレンジ色のワインが出来上がります。白ワインの製法は果皮や種子ごと破砕後、直ぐにジュースを分離して発酵させます。白ワインにとって不要な色素やタンニンを入れないためです。

一般的なワインの造り方を簡単に説明すると以下の通りです。

  • 赤ワイン・・黒ぶどうを使い果皮や種子ごと破砕後、全てを発酵させワインを造る。
  • 白ワイン・・白ぶどうを使い果皮や種子ごと破砕後、ジュースのみで発酵させワインを造る。
  • ロゼワイン・・黒ぶどうを使い果皮や種子ごと破砕後、全てを発酵させ、途中で果皮や種子を取り除きワインを造る。

このワインの発祥とされるジョージアは、クヴェリという土器を土に埋めて一定温度を保ちながら発酵させるという、伝統的な製法でこのオレンジワインをはるか昔から造っていました。蜜ろうで内側をコーティングしたクヴェリに白ぶどうを破砕して入れ数か月そのまま放置するという、言わば原始的な方法です。ジョージアではオレンジワインとは呼ばずにアンバーワインと呼ばれています。土に埋める為温度管理も自然任せになります。この製法は2013年ユネスコ世界無形文化遺産に認定されています。

クヴェリの図

オレンジワインの美味しさの秘密

傾向としてはアプリコット、白桃、アーモンドなどのニュアンスに加えスパイシーさも感じられるものもあります。赤ワインのタンニンが苦手な方でもこのオレンジワインなら楽しむことが出来ます。グルジアのオレンジワインはクヴェリの製法とグルジアの地ぶどうを使ったものが多く、ややクセを感じるものもあります

渋みの中の甘さが最高

オーストラリアなどの暖かい地方のシャルドネがお好きな方には、楽しく受け入れられるワインだと言ってよいでしょう。通常白ワインにはない渋みは、時間が経つにつれて甘みが感じられるようになるのもこのワインの面白さです。白ワインを良く飲んでいる友人はオレンジワインのタンニンに戸惑い、「ちょっと渋くて後味が悪いな」という意見もありました。私的には軽快な旨味だと感じますが、シャブリのような酸味がお好みの方は向かないかも知れません。

オレンジワインのダブルの美味しさ

オレンジワインを表現するいとしたら、白ワインと赤ワインの特徴を両面兼ねそなえている点です。白ワインの爽やかさと、赤ワインのタンニン(渋み)を同時に楽しめるわけです。「今日のワインは赤白どちらにしようか」「軽めの料理も重めの料理もあるし」などと迷ったら、オレンジワインの出番かも知れません。バランス良く持ち合わせているところです。まさにダブルの美味しさを体感出来るワインです。

ロゼワインとはここが違う!

ロゼワインは黒ぶどうを使ったワインですが、タンニン(渋み)の元になる果皮や種子などは途中で取り除いてしまいます。味わいの変化を楽しむワインというよりも、どちらかというと色の美しさを楽しむワインです。オレンジワインはそれ自身の味わいを求めて造られ、結果オレンジ色になるのとは異なる性質のものです。

絶対おすすめ出来るオレンジワイン 6選

それでは、私がおすすめするオレンジワインをご紹介します

リーズナブルで本格的な味わい・アランサット

私の一番のおすすめオレンジワインです!このワインは白ワインで馴染みのあるピノグリージオとソーヴィニヨンブランを使っているからです。イタリアのフルウリ・ヴェネツィア・ジューリア州で古くから造られてきた家族経営のワインです。コンポートしたアプリコットや黄桃、柑橘系の果皮など複雑で濃縮感のある香りが特徴です。口当たりは柔らかく芳醇でミネラル感が豊富で価格もリーズナブル、ソーヴィニヨンブランの爽やかさも感じられます。今日は赤ワインはちょっと重いかな、なんていう日には是非このワインです!

ボルゴ サヴァイアンアランサット/オレンジワイン 1,562円

  • 味:辛口オレンジ
  • アルコール度数:13%
  • 品種:ピノグリージオ85% ソーヴィニヨンブラン15%
  • ワイナリー:ボルゴ サヴァイアン
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甲州ぶどうで造る濃厚な香りを持つ・シャトーマルス

私の二番目のおすすめです!国産ワインの安心感と甲州ぶどうの味わいに慣れている方が多いからです。山梨のマルスワインが造るオレンジワインとなります。甲州ぶどうは世界でも認められている数少ない国産ぶどうです。甲州ぶどうの果皮にある濃厚な香りや旨味を充分に引き出し、ほんのりとオレンジ色に輝いています。スミレや柑橘系の香りと白ワインにはない豊潤な味わいと程よいタンニンとのバランスが良いワインです。飲み進んでいくと少しずつ味わいや香りが変わって来るもの楽しいワインです。辛口ですがほんのりと甘さが見え隠れして愛着がわきます。

シャトーマルス 甲州オランジュ グリ/オレンジワイン 1,653円

  • 味:辛口オレンジ
  • アルコール度数:11%
  • 品種:甲州100%
  • ワイナリー:マルス山梨ワイナリー
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程良いタンニンと果実味豊かなアロマ・クレメンタイン

丁寧な造りをするメーカーで安心です!オーストラリアのローガンが造るオレンジワインです。桃やアプリコット・オレンジの皮、木苺、ジャスミンやバラなどの複雑で香りある風味を持ち、シナモンやクルミのようなニュアンスとストラクチャーを持ちます。アルコールもしっかりしていて色味も他のオレンジワインよりは濃く、タンニンも多く感じます。落ち着いて飲みたい時や重めの魚料理の時などにはこのワインがおすすめです。

クレメンタインピノグリ 2,068円

  • 味:辛口オレンジ
  • アルコール度数:13.5%
  • 品種:ピノグリ100%
  • ワイナリー:ローガンワインズ
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旨味の溶け込んだ果実味とミネラル感・オレンジムーン

オーストリア産でシトラス、グレープフルーツなどの柑橘系果実の爽やかなアロマとミントのニュアンスを持ちます。アメリカでベストセラーになった清涼感あるオレンジワインです。このぶどうはハーブやスパイシーな感覚を持っているので、爽やかさと複雑さの二面性をもった面白い味わいです。ワインが重くなり過ぎないようにリースリングを使って軽快なイメージを残しています。ワイン通販ショップ「エノテカ」さんもおすすめするオレンジワインです。「エノテカ」さんはあらゆるワインが揃っており、ワインに関する情報も満載です。国内外に67店舗も展開!確かなネットショップです。

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オレンジ・ムーン

  • 味:辛口オレンジ
  • アルコール度数:12.5%
  • 品種:グリューナーヴェルトリーナ90% リースリング10%
  • ワイナリー:ワビ・サビ

100年以上前からの伝統的製法で造る・マカシヴィリ キシィ

中級者以上におすすめ!グルジアのヴァジアニカンパニーのオレンジワインです。伝統的なクヴェリを使用したワインで、地中から掘り起こされた100年以上前のクヴェリを再利用して醸造を行っています。白桃やアーモンドの香ばしいアロマとスパイシーな風味とアロマティックさと強いタンニンを持ちます。キシィというグルジアの地ぶどうは一般的ではありませんが、飲み続けるとくせになる魅力を持っています。オレンジ色という慣れない色あいとタンニンの味わいはエキゾチックな雰囲気を演出してくれます。

マカシヴィリ キシィ/オレンジワイン 2,860円

  • 味:辛口オレンジ(アンバー)
  • アルコール度数:12.5%
  • 品種:キシィ100%
  • ワイナリー:ヴァジアニカンパニー

繊細で洗練された味わい!世界の星付きレストランも認める・ルカツィテリ

ジョージアのワインで伝統的製法のクヴェリを使ったアンバーワインです。爽やかな果実や花々のアロマを持ち、アーモンドやドライフルーツの香ばしい風味が伴います。ミディアムボディでバランスが良く、完成度の高いワインです。複雑なフィネスと完成度の高さが素晴らしく、高い評価を得ています。フィネスとは「繊細」「洗練」という意味で、上質なワインを表現するときに使われる用語です。見た目から想像する味わいとのギャップは楽しい発見になることでしょう。タンニンを感じるブルゴーニュのしっかりとした白ワインのイメージでしょうか。ワインを良く飲まれている方には是非試して頂きたいまさに第4のワインの魅力を感じることでしょう。ドライでありながらも「ナチュラルワインのようにすいすい飲める」という評価も。脂ののった魚や肉類とお召し上がり頂くのがおすすめです。

ルカツィテリ シャラウリ 3,685円

  • 味:辛口オレンジ(アンバー)
  • アルコール度数:13.5%
  • 品種:ルカツィテリ55%ムツヴァネ45%
ルカツィテリ シャラウリ オレンジワイン

オレンジワインを一番美味しく飲める温度

飲まれる温度は白ワインよりやや高めの13~14度程度がおすすめです。白ワインのように10度くらいに下げてしまうとタンニンが効いてしまい、渋く感じることがあります。また赤ワインのように15度以上になると逆にタンニンと酸味がぼけてしまいます・・が、あくまでも狭義の意味でありそれ程神経質になる必要はありません。春夏の暖かい季節の室内での水温は20℃から25℃程度なので、飲む前に少し冷蔵庫で冷やしてから飲まれると良いでしょう。秋冬は暖房の効いていない部屋などに置いておけば、そのまま飲むことが出来ます。

オレンジワインに合う料理と飲み方

赤ワインのタンニンと白ワインの酸味の両方の特徴を備えている為、合わせる料理の幅がぐっと広がります。白ワインの守備範囲に加えて、そこそこの肉料理でも負けません。赤ワインでは味が飛んでしまいそうな軽快なサラダなどでも合わせやすいものになります。つまり食卓のメイン料理を気にすることのない万能ワインなのかも知れません。

料理によって白・赤を分けずこのオレンジワインだけで良いかも知れません。軽めの肉のグリル、香草を使った料理、中華料理全般などがおすすめです。ソムリエ達の間では料理とのマリアージュ(相性)が広がったことでオレンジワインを好意的にとらえているようです。

最後に

ロゼワインが白ワインの範疇ととらえるのなら、このオレンジワインはどちらかと言えば赤ワインよりかも知れません。ジョージア・イタリア・日本に限らず、恐らく世界中で造り始められる筈です。最初は戸惑う新しい味わいと色味は第4のワインとしてスタンダードになる日も近い事でしょう。ブラインドでロゼワインが見分けずらいのと同じく、オレンジワインもブラインドでは見分けられないかも知れません。ひょっとしたら世界でまだ見出されていない変わった製法や色合いの第5のワインが登場するかもしれませんね!

ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)